こんにちは りず です。
50代前半で心房細動カテーテルアブレーション焼灼術をうけました。
これは、あくまでその時の個人的な体験記です。
尚、医療従事者の方々はカテーテルアブレーションの事を、”検査室で検査する”と表現されていましたが、私は”手術室で手術する”と記述します。
心房細動の自覚症状
- 脈拍が バラバラ
- 動悸 息切れ
- 胸が苦しい 等
私の場合、不整脈が出始めた時は、脈が1拍欠けたように感じる期外収縮でした。
しかし、そのうち脈がバラバラになる時があり、その頻度が高くなり次第に持続時間が長くなっていきました。
毎日のように数時間に亘り心房細動の発作が起きると、胸が苦しいだけでなく,精神的にも辛い時がありました。
苦しくて眠れないうえに、眠ってしまったら二度と目が覚めないのではないかと恐怖を感じることが度々ありました。
診断・入院決定
意識をつれていかれそうに感じることが何度かあり手術を決意しました。
主治医に相談してカテーテルアブレーション焼灼術の専門医のいる病院に紹介状を書いてもらいました。
診察・検査の結果 診断は、心房細動でした。
その1ヶ月後に入院と手術の予約を入れてもらいました。
手術は、首と両鼠径部の三ヶ所からカテーテルを心臓まで挿入し、悪い電気信号を出している部位に小さな火傷をさせていくとのことです。
所要時間は概ね4~5時間の方が殆どで、長いと7時間程かかるそうです。
鎮静剤を打つのでウトウトした状態になり
痛みなどは感じないそうです。
万が一トラブルが起きた時は、直ぐ開胸手術に切り替えられる様に準備を整えたうえで行うという心強い言葉がありました。
手術前に
- 経食道エコー
- 心臓CT
の二つの検査があります。
私は以前、造影剤でアレルギーを起こした経験があるため入院当日に検査することになりました。
アレルギーを抑える薬が処方され、服用する日時の指導もうけました。
特に問題がなければ4日目に退院です。
その日は、医師から詳しい説明を受け、看護師さんと事務の方々からも入院の手続きや注意事項、準備等のお話しがありました。
検査の内容が記された用紙、各同意書、カテーテルアブレーション焼灼術について詳しい説明が載っている冊子、入院案内、入院中のスケジュール表等たくさんの書類を渡されました。
なかでもアブレーションについての冊子は入院するまでに、何度も目を通しました。
アブレーション当日の流れ、手術台に移ってから医療器具を装着されていく様、
大変繊細な作業で、心臓の内部に火傷をさせていく様子が詳しく説明されていました。
高額医療
カテーテルアブレーション焼灼術はとても高額な医療費がかかります。
高額医療費制度を利用して限度額適用認定証を交付してもらうように勧められました。
退院の日までに限度額適用認定証を病院に提出すれば多額の現金を用意しておく必要はありません。
自身の保険組合に問い合わせて用意しておきました。
この認定証は、一度の申請で3か月間有効です。
私は月末から月初にかけて2ヶ月間にまたいでの入院でしたが、一度の申請で大丈夫でした。
事前準備
私の入院は冬の寒い時期でしたので、前が開閉できる肌着を用意しました。
入院中は常に心電図をつけているので、マジックテープ式のものをさがしました。
介護用品を扱う店舗や、通販サイトを利用して数枚用意しておきました。
ムダ毛処理について。
おなかから、太ももまでの毛を処理してくる様に指示されました。
自分では出来ない場合は、入院当日に看護師さんが処理してくれます。
私は以下の3つを用意しました。
- 脱毛ワックスシート
- 脱毛クリーム
- レディースシェイバー
脱毛ワックスシートは入院一週間程前に使用しました。
炎症が起きないように処理後直ぐに清潔に洗い流し、よく冷やします。
太ももの裏側やお腹(おへその上下各10cm位の範囲)は脱毛クリームを使用すると手間がかからないと思います。
こちらは入院の前日までに処理しました。
脱毛シートも脱毛クリームも一度に全ての毛を処理する事は出来ません。
入院当日の朝、お風呂で最終的にシェイバーで仕上げました。
思っていたよりもかなり広範囲です。肩や腰など痛めないよう計画的に実行しました。
手術の後でお腹から太もも周りにテープをグルグル巻かれたので、しっかりと処理しておいて良かったとおもいました。
入院
入院 1日目
午前の入院の指示がでていました。
朝、家で普段通りの朝食を取り病院にむかいます。
身長、体重、血圧測定、検温、問診などがあり心電図がつけられました。点滴の針をさします。看護師さんに両足の甲を探られてマジックで大きなバツ印をつけられました。触ってみるとドクンドクンと脈がつたわってきます。普段服用している薬を預け管理してもらいます。
午後に二つの検査があるので昼食はありません。
心臓CT検査
造影剤を使用しての心臓CTを撮ります。
アレルギーを抑える薬を事前に服用しました。
始まる前に受けた説明通り、造影剤が体に入ると心臓の辺りが
熱くかんじました。
少しずつ足の方から進んで行くので、ずっと様子が見えています。緊張が続きます。
息を吐いたタイミングで、息を止める指示があった時は、少し苦しく息を止めている時間が長く感じられました。
この検査は、病室から検査室まで往復一人で歩いて行いました。
造影剤を体から排出する為、水分を摂るように指示されました。
経食道エコー
心臓を食道の中から超音波で観察する検査です。
鎮静剤を使用した上で行うので苦痛はありません。
検査の3時間前から飲食禁止でしたのに、先程の造影剤の事で頭がいっぱいになり、たくさん水を飲んでしまいました。
大失敗です。
看護師さんに相談すると「仕方がありません」と言いつつも検査担当のスタッフさんに伝えてくれました。
こちらの検査には車イスで向かいました。
検査室には3~4人の医療スタッフさんたちがいました。
飲んでしまった水の量を聞かれました。
500㎖位でしょうか。
吐き戻しても大丈夫な様に横向きで検査します。
そう言われて少しホッとしました。
しかし口から医療器具をいれての検査は初めてです。
とても緊張しています。
少し高い台に座らされ、検査の内容 目的等を確認し、説明をうけます。
小さい紙コップを渡されました。透明なドロッとした液体が入っています。
飲み込まないで口の奥のほうに含んでおいてください。
はい
全部、口に入れて下さい。
!!!
チクチク ビリビリと口の奥のほうを攻撃されます。
もう少しそのままでいて下さい。
飲み込んでください。
え”!!!モガモガモガ
全部飲むの?
全部飲み込んで下さい。
少しずつゆっくりと飲み込みました。
鼻にカニューレを装着されます。
これを前歯で嚙んで下さい。
直径2㎝位のリング状の物をくわえて頭の後ろの方で紐状のもので結び、固定されます。
恐怖と緊張で、顔がひきつります。
こちらを向いて横になって下さい。
横向きに寝そべると
眠くなる薬、入りましたからね
「はい」と返事をして記憶が途切れました。
話声で目が覚めました。
終わりましたよ。
どうやら吐き戻したようです。
皆さんごめんなさい。
看護師さんが迎えに来てくれていました。
逃げるように車イスに乗り病室にもどりました。
その日の夜、経食道エコーの結果が出て心臓の中に血の塊が出来ていない事が判明しました。
これで明日のアブレーション焼灼術が決定しました。
心臓の内部に血の塊がある場合、手術中にそれが脳に流れて行ってしまい重大なリスクにつながることがあるので、アブレーション焼灼術は出来ないのだそうです。
手術本番に備え早めに休みました。
2日目 アブレーション当日
いよいよ待ちに待ったこの日がやってきました。
数時間後には苦しくなくなっていると思うと、嬉しくて期待に胸が膨らみます。
6:00から点滴がはじまりました。
点滴が終わると手術着に着替えて導尿されました。
ベッドでおとなしくしていると、家族がきてくれました。
8:50ストレッチャーに乗って手術室にむかいます。
手術室には、たくさんの医療スタッフさん達がいらっしゃいました。
7人位でしょうか。
狭い手術台に乗り移った時には、もう何も着ていませんでした。
乗り移ると同時に周りを囲まれ背中や胸に何かを装着されます。
脳波を測るベルト状の装置は、肌側に小さな突起がたくさん出ていておでこがチクチクします。
仰向けになるように促されて体をたおします。
足の指に何か取り付けられた気がしたので、足元のほうを見ると左側の腕が幅の広い布のようなもので手術台に固定されるところでした。
右手の少し離れたところを歩きながら、男性が
「もう、眠くなる薬入ってますよ」
と言う声と重なって自分の乱れた心音が3~4回聞えたところで、意識がなくなりました。
手術室に入って10分くらいでしょうか。とても短い時間に感じました。
自分の体が震える振動と、「寒い 寒い」と言っている自分の声が聞こえて、ぼんやりと気がつきました。
どうやら病室のベッドに横になっているようです。
辺りを見回すと家族と目が合ったので、時刻を尋ねると
「もうすぐ4時半だよ」
という返事がありました。
え?4時半?
7時間以上経ってるの?
私どうやってここに戻ってきたの?
いつ戻ったの?
頭が混乱しています。
手術に長い時間がかかったようです。
とても寒くてガタガタと震えています。そして、凄く腰が痛いです。
周りを見回したり、家族と話したりしているうちに少しずつ頭がさえてきました。
あ!!!
心臓の脈がバラバラじゃあない!!!
脈がいつもより早く、期外収縮でたまに飛びますが規則正しく鼓動を打っています。
その状態が何時間も続きました。
なんて楽なんだろう!
先生ありがとう! 私 苦しくない!
そう叫びたい気分です。
その日の夜はあまり食事は食べられず、とにかく腰痛がひどかったです。
寝返りをしてもよいという許可が出ましたが、ひどい腰痛で寝返りもままなりません。
消灯時間が過ぎた頃足の間を何かが流れ落ちたので、直ぐに看護師さんに診てもらいました。
右鼠径部のカテーテルを穿刺した傷口から出血しました。
アブレーションをして下さった医師によると問題は無いそうですが、更に安静時間が延びてしまいました。
小さい砂嚢をのせてテープで固定されました。
3時間位経過したあたりで寝返りの許可が出ましたが、怖くてあまり動けません。
腰痛だけでなく、背中や足もしびれて泣きそうです。
その晩は一睡もできませんでした。
3日目
明け方、看護師さんがベッドの背中側を少し上げてくれました。
しばらくすると噓のように腰痛が治りました。
体が楽になりウトウトします。
朝食の後、医師が傷口の消毒をしてくれました。
出血は止まっていました。お腹から太もも周りにグルグル巻かれたテープが外され、導尿も外されました。
自由に動けるようになって首が殴られたように痛い事に気がつきました。
トイレに行って見ると、首の右側が黄緑色に変色していました。
右太ももの上部は紫色になっています。
3日目のこの日は、3食の食事が出て自由にトイレに行くことができます。
シャワーの許可も出ました。
夕方シャワーの後、傷口のテープをはがしてもらいました。
よく見ると右鼠径部には2か所傷口がありました。
左側は傷口がどこか解りません。
この日に何もトラブルが無ければ4日目の明日朝退院です。
4日目 退院
4日目の朝医師の回診があり、退院の許可が出ました。
皆さんお世話になりました。
かかった費用
10円単位以下四捨五入
大部屋4日間入院費検査手術 2,151,900 ①
自己負担額3割 ①×0.3=645,600 ②
高額委任’減免 ②-531,400=114,200 ③
食事代4日分 ③+3,700=117,900
私が実際に支払った金額は約117,900円でした。
長年にわたりお世話になっている保険会社から給付金が出ましたので
今回の入院手術費用は全額給付金で賄うことができました。
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